あきゆりのぶろぐ

SixTONESを中心にJr.への愛を叫ぶ

原嘉孝さんと私と相撲の話

 こんにちは。最近は12月だというのにそこそこ気温が高い日々が続いていて、服装に悩んでしまう秋百合です。今回は服装とか関係ないというかほぼまわしか浴衣の力士たちの物語、両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)という演劇のことを語りたい。

 

 私はジャニーズにたどり着くまでは、このエントリに書いた通りTHE ALFEEのオタクをもっぱらしていたわけだが、それと並行してもう一つマイブームがあるという状態が常だった。

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 例えば将棋観戦。このエントリでも尾を引いている。

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 で、本題。その前は大相撲観戦だったのである。まあ複雑な詳細は省くが、大相撲に関心が生まれたのは高校生の頃。エストニアという国を訳あって調べていた時に出会った、把瑠都関がきっかけだった。それから、ハードディスクの容量が許す範囲で取組を録画するようになり、私はテレビの前で一瞬で勝負が決する美しさに夢中になっていた。

 

 ちなみに大学進学に伴って上京してからは両国国技館にも数回向かい、大阪の春場所もサークルの合宿ついでに遠征してしまう熱の入れようだったが、遠い椅子席しかもちろん取れるはずもなく、苦手なコール(ある力士の登場時に四股名をこ繰り返し叫ぶファン集団がいるのである)の直撃を受けざるを得ないという点から、いつの間にか足は遠のいてしまった。それでも、テレビでは毎日のように相撲をつけて、早朝に放送されている取組ダイジェストは欠かさずに録画していた。

 

 そんなライトな相撲ファンの私が本格的に、というと聞こえはあれだが、相撲から離れるきっかけになってしまったのが、身体の性別に囚われざるを得ないと年月が経つごとに強く感じてしまったからだ。今回の両国花錦闘士演劇版でも、相撲雑誌「ズンズンお相撲さん」の記者である橋谷(演・大原櫻子さん)が支度部屋に取材に行くと言ったところ、先輩記者から女人禁制と止められている。そして、大相撲の土俵はいかなる理由があっても女人禁制である。

【土俵に女性問題】「人命」より「女人禁制」重視か 角界対応に厳しい声(1/2ページ) - 産経ニュース

(今作中では橋谷が土俵上で歌うシーンがあったが、まあイマジナリー土俵だと解釈しておこう)

 

 なんというか、私自身は男でも女でもないXジェンダーを自称しているが、身体はどうしようもなく女なので、悔しかったのだ。そこが男の独壇場であることが。相撲に関わると男性に精神的に屈服しなくてはいけないと言われているようで癪だった。そんな鬱憤を晴らす存在が今作に登場する桜子(演・りょうさん)である。アイドル芸能事務所パピーズの社長である彼女は力士である昇竜(演・原嘉孝さん)を我が物にしようとするのだが、その開き直り方が歪んだ私には清々しくて。

 

 両国花錦闘士と私の出会いは、角界にちょっと思うところが出始めた時期、書店に岡野玲子さん作の原作漫画の新装版が並んでいるのを見かけた時である。つまりは今回の演劇化とは全く関係がない。というか原作ファンだからというのが理由の6割でこのお芝居を観に行ったので。残りの4割?原嘉孝さんという人に惹かれているから。

 

 原さんと私の出会いはいつだったのだろうか。 

 実際にお姿を拝見したのはこのエントリで振り返ってみると、2019年春、桃山ビート・トライブだったようだ。でも、この前には友人の紹介で宇宙Sixおよび彼を知っていた。そして、彼のシンメであった目黒蓮さんのSnow Man加入で、彼を意識し始めたのであった。

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 今となっては完全に原さんを応援していると公言している(そうなの?)私だが、きっかけとしてはやはり生で見た彼の演技に衝撃を受けてのことだったと思う。

 

 それから原さんのいる現場には、ジャニーズJr.8・8祭り(UNIVERSEで普通に泣いたがその後のデビュー発表で全て持って行かれてしまった。目黒さん宇宙Six脱退ISLAND TVは号泣した)、THE BANK ROBBERY! 〜ダイヤモンド強奪大作戦〜(原さん初主演、イベントまで足を運んでしまった)、新宿のありふれた夜(はまり役だったと思う。個人的にレア劇場だったので嬉しかった)、地球防衛軍苦情処理係(脇役でも光る原さんすごいなーと漠然と思っていた)、宇宙Six Winter Paradise2019(初コンサート。アイドルしててジャニーズの人だーと当然のことを改めて実感した)、のべつまくなし改と原担か?というコースを辿り、すっかり彼の虜になってしまっていた。

 

 そんな折にコロナ禍、そして、宇宙Sixの解散という出来事が起こった。私は心に一つ風穴が空いた心地だった。いや一つどころじゃない。六つくらい空いた。

 

 宇宙Sixでなくなっても原さんを応援しているという気持ちを表明したいがために、一番近い日程で当時彼が出演中であった舞台リチャード三世も急遽追加席を取って観に行った。そこには、堂々と役を演じきるプロの姿があった。心強すぎて、どこまでもついていきたく、行く末を見届けたくなった。

 

 そのタイミングでの両国花錦闘士出演決定だった。これまた応援している岸本慎太郎くんや、気になっていた根岸葵海くんも出演するとのことで、発表当初から観に行く気満々だった。

 

 そこで事件は起きてしまった。結果的に原さんは主演になった。

 

 そこで事件は起きてしまった。私は先行をすっかり逃してチケットを一枚も確保できないでいた。キャスト変更に伴い、払い戻し、再販売が行われて事なきを得た。 

 

 そして迎えた初日、私は明治座にいた。初めての会場。伝統の会場だと二階の展示を見てひしひしと、そこで座長を務めるという重圧を想像で感じた。と同時にちょっと原さんが心配になってきた。

 

 それは杞憂であった。

 幕が開けば、そこにいたのは堂々たる、いつもの、役を演じきる原さんであった。

 

 大変なことがたくさんあったろうにステージに立ち続ける彼の偉大さに、ただただ圧倒された。

 

 物語は音楽やダンスを挟みながらテンポよく展開していく。デーモン閣下による主題歌も見事であった。どこかで中毒性の高さが呟かれていたが、全くその通りで、案の定私もチケットを増やしてしまった。

 

 きちんと岸本さん、根岸さんにも見せ場があってテンションが上がった。

 

 登場人物がそこそこ多いのだが、それぞれのバックボーンを想像させる要素が盛りだくさんで、飽きるということを感じさせない構成になっているのが、印象的であった。舞台上手でセリフが述べられているかと思いきや、下手では何やら不穏な動きをしている人がいるなんてことが頻発していて、目がとにかく足りなかった。

 

 最終盤、原さん演じる昇竜が夜もさめるほど艶やかになってやる、と心内で宣言する名シーン(セリフ)があるのだが、原さん自身と重なってしまって、涙が溢れた。

 

 原嘉孝のジャニーズ場所での取組は仕切り直し、これからがもう一番である。